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  • 徳永仁・高村徳人
  • 九州保険福祉大学薬学部
  • 2012.05.31

    【Report】上田で試行開始する電子お薬手帳はどんな中身?

    標準仕様の電子お薬手帳で試行開始へ

     上田薬剤師会(飯島康典会長)は今年度,「電子お薬手帳」の試験運用を上田市など2市1町1村からなる上田地区で開始することを3月に発表しました。
     電子お薬手帳は大手薬局企業などでも導入が進んでいますが,問題になっているのが記載内容や記載書式が不統一な点。異なる企業の薬局に行くと,調剤した内容を電子手帳に書き込むことができないなどの問題が懸念されています。
     政府が進める「どこでもMY病院」構想では,先行して電子お薬手帳の運用を2014年度より開始することにしており,手帳の記載様式の統一に向けた検討が進められてきました。それを受け,総務省や経済産業省などで地域医療情報の電子的な共有の事業のなかで電子お薬手帳の試行が進められ,そこでの運用実績を踏まえ,JAHIS(保健医療情報システム工業会)が標準フォーマットとして制定する予定です。
     上田地区の試行は,この標準フォーマットを採用し,全国どこでも(環境が整えば)使える電子お薬手帳になるのが特色です。
     4月27日に,武藤正樹医療福祉大学大学院教授が上田薬剤師会を訪れ,新たな電子お薬手帳などの事業について視察を行いました。同行する機会を得ましたので,その内容を一部ですがご紹介します。

    二次元コードを明細書に印刷し携帯電話のカメラでパチリ

     上田薬剤師会が行う電子お薬手帳の試行は,薬局で調剤を行った際に患者に交付する明細書に調剤内容をQRコード化して印字し,患者が自分の携帯電話(スマートフォン)のカメラでそれを読み取って記録する仕組みになっています。現在iPhone用とAndroid用のアプリケーションの開発が進められています。
     QRコード化される内容は,調剤した薬剤の情報,アレルギーに関する情報,既往歴などとなっています。QRコードは1つのコードに記載できる情報量が限られているため(フォーマットにより限度が異なります),患者に調剤した薬剤数が多い場合などは,複数のQRコードが印字されることになり,患者はそれを順に撮影する必要があるなど,やや不便な点もあります。
     そこで,QRコードではなくスマートフォンのFeliCa機能を利用して,薬局の端末からスマートフォンに直接情報を取り込む方法も検討されているそうです。アプリケーションを開発している岡﨑光洋北海道薬科大学准教授は,「お薬手帳の利用は高齢者や子どもが多いので,使いやすいほうを使ってもらえれば」と語っています。

    処方薬以外にOTC薬やサプリの情報も一つに

     患者が取り込んだ調剤情報は,スマートフォンのアプリで閲覧できます。今回の視察では,岡﨑氏が開発中のアプリを実際に操作しながら,電子お薬手帳の機能を紹介しました。
     このアプリの特徴は,調剤内容の履歴が見られるだけでなく,治療中に患者自身が気づいたことなどをメモとして記録できるようになっている点です。それらの情報を経時的に表示させるようになっており,患者の服薬に関する履歴が読み取れるようになっています。
     また,調剤した薬の情報だけでなく,購入したサプリメントなどのバーコードを読み取ると,その商品を登録できるようになっており,サプリメントと調剤した薬ののみ合わせのチェックも可能となっています。


    電子お薬手帳には処方された薬(右)だけでなくOTC薬の情報(左)も取り込める


    患者の日常生活の情報として体重や血圧なども入力できる


    処方薬,OTC薬,検査結果などの最新データの一覧も可能


    入力を始めるにはこれらのボタンを押す

    30薬局で試行開始の見込み

     このアプリに取り込まれた情報は,セキュリティの問題などが解決できれば,ネットワークを通じてクラウド(ネットワーク上の情報保管場所)に集められる仕組みとなる予定です。患者本人だけでなく,医師や薬剤師も患者の同意を得ればこのクラウド環境に保管されているお薬手帳情報を見ることができ,カルテや薬歴に移すことも容易になります。
     上田地区での「電子お薬手帳」の試行は,QRコードの標準化手続きと,スマートフォン用アプリの開発を待って開始される予定で,アプリは夏頃までに開発が完了する予定になっています。試行に参加する薬局は30薬局程度を予定しています。(MK)


    武藤正樹教授(中)と飯島康典会長(右),飯島智子氏(左)
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